プレゼン大会での発表から議会質問へ、ふたばの想いが届きました
この度、令和7年6月の四日市市議会定例会において、村上暁議員(無会派(日本共産党))が多胎育児支援について詳細な一般質問をしてくださいました。
令和 7年 6月定例月議会(第3日 6月12日 一般質問)村上 暁(無会派(日本共産党))録画映像 | 四日市市議会インターネット議会中継
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この議会質問は、今年1月にふたばが参加した「第1回四日市NPOまちづくりプレゼン大会」がきっかけとなって実現したものです。
プレゼン大会での出会いから議会質問へ
1月13日のプレゼン大会での発表
四日市商工会議所で開催された「第1回四日市NPOまちづくりプレゼン大会」において、当サークル共同代表の古川が「多胎育児を支援する4つの提案」をテーマに発表させていただきました。
プレゼンでは、双子や三つ子などの多胎児出産が100組に1組の割合で起こっている現状や、多胎育児家庭が直面する様々な課題について説明し、以下の4つの具体的な支援策を提案いたしました:
- 多胎両親教室の開催
- 経験者によるピアサポーター制度の確立
- 外出支援とツール試乗会の実施
- 多胎フォーラムの定期開催
村上議員との出会い
この発表をお聞きいただいた村上議員が、多胎育児の現状に深く関心を持ってくださり、その後ふたばの交流会にもご参加いただきました。
実際に双子の親御さんたちのお話を直接聞いていただくことで、より具体的に多胎育児の困難さをご理解いただくことができました。
議会で取り上げられた多胎育児の現実
村上議員は、ふたばがこれまで発信してきた当事者の声やデータを詳細に取り上げてくださいました。
深刻な外出・移動の困難
保護者アンケートで**回答者の9割が「外出・移動が困難」**と答えている現状を紹介。具体的には:
- 2人が同時に泣く不安で公共交通機関を利用できない
- 1人の準備中にもう1人が泣いてしまう
- 1歳半・3歳半健診で総合会館へ行くのも困難
- 保健師から積極的参加を促されても、1人では外出できない
24時間体制の過酷な育児
**8割近い保護者が「睡眠不足・体調不良・自分の時間が取れない」**と回答している実態も報告されました:
- ミルク・おむつ替え・交互に泣く赤ちゃんの対応でほぼ24時間体制
- 心身が疲弊して虐待への不安を感じる
- 睡眠時間やトイレの時間さえ取れない
- 専業主婦のため保育園も利用できない
社会の理解不足
統計上、妊婦100人中1人(約1%)が多胎児妊娠というマイノリティ性から、多胎育児の大変さが理解されにくい現状も指摘されました。
具体的な4つの支援提案
村上議員からは、以下の具体的な支援策が提案されました:
1. 多胎ピアサポート事業の導入
桑名市の事例を参考に、多胎育児経験者による相談支援事業の実施
2. 多胎児家庭へのタクシー券交付
外出・移動困難への対策として、健診や予防接種時の移動手段確保
3. 家事支援サービスの改善
現在の1年間24回から3年間72回利用へと拡充し、より気軽に利用できる制度に
4. ベビーシッター補助の導入
保護者が外出できるベビーシッターサービスの利用料補助
市の前向きな回答
西村子ども未来部長からは、多胎児支援の重要性を認識し、以下のような前向きな回答をいただきました:
- ピアサポート事業については「重要な役割を担う」と認識し、先進事例を参考に調査研究を継続
- 家事支援サービスは利用促進のため必要に応じて改善を実施
- 妊娠中から産後まで途切れることない継続支援を重視
ふたばからのメッセージ
今回の議会質問は、1月のプレゼン大会での発表から始まった大きな成果です。一つのプレゼンテーションが、議員さんとの出会いを生み、交流会への参加を通じてより深いご理解をいただき、そして議会での具体的な質問につながりました。
これは、多胎育児当事者の皆さまが勇気を持って声を上げてくださったこと、そして私たちの活動に理解を示してくださった多くの方々のおかげです。特に、プレゼンを聞いてくださり、その後も継続的に関心を持ち続けてくださった村上議員には心より感謝申し上げます。
プレゼンから議会質問への道のり
- 1月13日 – 四日市NPOまちづくりプレゼン大会で発表
- その後 – 村上議員がふたばの交流会に参加
- 6月12日 – 四日市市議会で多胎育児支援について一般質問
この一連の流れは、当事者の声を届けることの大切さと、それを真摯に受け止めてくださる方々がいることの素晴らしさを改めて実感させてくれました。
今後に向けて
議会で取り上げられたことは大きな一歩ですが、これはゴールではありません。実際に支援制度が実現し、多胎育児家庭の皆さまの負担軽減につながるよう、ふたばも引き続き活動を続けてまいります。
プレゼン大会での発表から始まったこの取り組みを、今度は具体的な支援策の実現へとつなげていけるよう、私たちはこれからも多胎育児家庭が安心して子育てできる社会の実現に向けて、力を合わせて取り組んでまいります。
多胎育児の大変さを理解し、具体的な支援につなげてくださった村上議員、そして前向きに検討してくださっている市の担当部署の皆さまに心より感謝申し上げます。
また、「四日市NPOまちづくりプレゼン大会」という貴重な発表の場を設けてくださった主催者の皆さまにも深く感謝いたします。このような機会がなければ、村上議員との出会いも、今回の議会質問も実現しませんでした。
プレゼン大会から今回の議会質問まで、ふたばの活動を支えてくださった会員の皆さま、関係者の皆さまにも深くお礼申し上げます。